叙情ひとつ2019

2019年9月発行、A5、172P、150部

思い返すと、 私は中学の頃少女マンガを読むようになって、 男の私からは見えない、女性から見えている世界を垣間見ることで 視野が広がった気がしてます。
当時まだ少女マンガ家も編集の人も男性が多い中で、 女性の少女マンガ家が自分の描きたいマンガを掲載してもらうために、 編集側に対して、相当の努力が必要な時もあったと聞きます。

同じ頃に流行したマンガにガロ系と言われる暗めのマンガもありましたが、 自分にはどうもその暗さがなじめませんでした。 今考えると、戦中や戦後まもない時代に生きた作家が見てきた世界が そういうマンガとして昇華されたのかもしれない、と思います。

縁あって数年前「嵐電」(著:うらたじゅん)というマンガ本を読んだ時、 作者は私よりちょっと年上の方ですが、 私の知らない、ちょっと昔の風物がいろいろ描かれており、 作者が見てきた世界そのものなのだろうな、と強く感じました。 作者は惜しくも今年 亡くなられました。

そういうわけで、 自分に合う合わないはあるにせよ、 時代に合う合わないは関係なく、 その人から見えている世界を表現することは大切だ、 と思うようになりました。

その点、 他人の協力なしで個人で作れちゃう短いマンガって、 いいツールなんじゃないかと思います。

そんなマンガは、
有名マンガ家である必要はないし、
過酷な人生や大恋愛も必要ない。
そういうことではない。
ひとりとして他人の目から世界を見ることなどできない。

その人から見えている世界はその人にしか見えないので、 それを表現するのです。
見えている世界をそのまま表現するのもいいし、
その人なりのフィルターを通したり、違うものに変換してもかまわない。
ただ、他人から聞いた世界ではなく、
その人から見えている世界、見てきた世界、を見てみたい。

この本には、 あなたからは決して見えない28名の瞳から見えている世界が、あります。  

  • 「夜」            紺谷萌音
  • 「夜のおさんぽ」       まのこ魚
  • 「ユメノイリグチ」      摘草春菜
  • 「夜の終点」          五月病
  • 「キラキラ」      ひすいろうかん
  • 「Shooting Star」       小津端うめ
  • 「まわり道」         ゆ~すけ
  • 「通りすがりのカウンセラー」 あかネコ
  • 「特等席」      しょうじひでまさ
  • 「すきま風」      つばめ・ろまん
  • 「手をつなごう」     はらだなおみ
  • 「たぶん違う」          真紀
  • 「バーバーペニーレーン」     由一
  • 「カラス」         下里亜紀子
  • 「箱 -今日子より-」 くるみやかおり
  • 「風船と足跡」        山名沢湖
  • 「うさみみロール」    なかせよしみ
  • 「ラーメン食べよう」    重森まさみ
  • 「しばとしか」     ツルハラカオリ
  • 「マルのこと」       高橋マナブ
  • 「時子の時間割」         大樹
  • 「こいつ 虫と私と3」   秋元なおと
  • 「Shangri-La」       小野カロン
  • 「山神」イラスト        宮地誠
  • 「アマゾネスのかみ」       驢馬
  • 「花」         くりもとりゅう
  • 「石に棲む魚」     いちのへみのる
  • 「季語 -春」      おがわさとし

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