ボクがマンガをねり出す過程というのは…
ウン十年たっても覚えている感情があって、それを引出しからむりやり引き出して、いくつかの記憶の断片をつなぎ合わせてそれをひとつの標本にする、みたいなかんじです。
そうそう、たとえると…
古い地層から小さな骨をいくつか発掘して、それらの骨の断片をつなぎ合わせて、想像上の新しい生物の骨組みを作り、肉付けして標本箱に入れる。
ということで「ひとつ」はさながら静かな博物館。
読者はその静かな博物館でガラスケースに入った展示物を見て回るのです。
ひとつひとつの展示物は決して声高にはしゃべらないけど、
じっと眺めていると――― 静かに深く語り掛けてくるものがあるでしょう?
「これに似た生物を見たことあるぞ」
「これはなんと美しい鉱石だ」
きっとここの展示物は、見る人によって形が変わったりもするのです。
あなたのお気に入りの展示物が見つかりますように。
Website Software