20世紀に川の氾濫を止めるため、川に高い防波堤を作りました。
川は垂直のコンクリートと鉄柱でおおわれました。
そうして生活から切り離された川には
生活排水や工場排水が流れ込み、空き缶や自転車が捨てらるようになりました。
やがて川は時々ガスの泡も見られるくらいに汚れてしまいました。
川そのものを上からフタをして忘れ去られた小さな川もありました。
当然川やその回りに住んでいた豊富な生き物はいつのまにか消えていきました。
いつしか川は生活から遠く離れた存在になっていったのでした。


21世紀初頭の大阪府大東市付近

川の水というのは、もともとは雨水です。
そのまま流れるだけでは、汚れたりしません。
生活排水や工場排水などの汚れた水が途中で流れ込むからこそ川は汚れてしまうのです。
川の途中で流れ込む汚れを止めることができたら川は自然ときれいになるはずです。
下水道の普及をいつまでも待つだけではなく、
家庭ごとで、また地域ごとで汚れた水をきれいにして川に戻すようにすれば
もっと早く川は再生するでしょう。
それらの浄化技術はすでに存在しています。
そこには、人を殺す技術や、核廃棄物を使いこなす技術は必要ありません。
(お金や知恵をどこにかけていくのか、それがどんな未来に続いているのかよく考えたいものです)










この作品は幻堂出版「何の雑誌」用に描きおろした作品です。

近くを流れる寝屋川は途中までは水のすんだ川ですが
途中から汚水を引き受け汚れた川になってます。
それは下水道工事の整備状況と比例しているようにみえます。
ボクの家から排水される水も引き受けてます(申し訳無いと思うけど事実です)。
下水道工事に排水処理の全てを任せることの難しさを
この川が示しているように思います。

思わず足を入れたくなる川が増えることを望みます。
2004.2.28


The Sketch of Ruu and Giru
2. The river side

The high breakwater was made to the river in the 21th.
The river separated from the life, the household and factory effluent flowed into the river.
And so many empty cans and the bicycles were thrown away into the river.
Many living things disappeared.

The river made by the rain.
If you throw nothing to the river, the river will be clean soon.
If the river is clean, someone will go down to the river.
The river will be friendly space again.