木とロープを使った半立漕ぎ後輪蛇行自転車の試行錯誤 コンセプトは木材を使った半立漕ぎの後輪蛇行自転車。ペダルを短い仕様で足先漕ぎを基本としているので、変速機付きにして最適な走りのギア比を見つけたいなということもあります。
ダンボールの人型を作って大きさをイメージしやすいようにしました(2013年に木の自転車を試作した時に参考にした海外サイトで見かけた事があります。もっと早くからやるべきでした:笑)。

形の基本は、前回制作した木材を使ったフィッシュウォーカー:後輪蛇行自転車をベースに考えてます。木材とベルト(もしくはロープ)を使ったフレーム。

前作の座って漕ぐ「フィッシュウォーカー」
前輪の方向舵の回転を一軸ではなく二軸でできないかとの以前からのアイディアを試してみようとしています。つまり、人間の腕と同じように右手と左手をそれぞれ回転させ、両手で握った前輪を回転させる要領で・・・?


主な素材とした自転車はこちら。ご近所さんからいただいた変速機とクッション付き折りたたみ自転車。けっこう重い。

木材は全て過去にいただいたりした廃材や伐採した木(丸太)から。
木材を人の骨、ロープを腱に例えて構成を考えていました。
後輪は足の先でロープはアキレス腱、前輪は両腕で支えているイメージで。

上方の木材の回転部分は球体関節人形の関節のように木材に丸みをつけ、受け側に丸いくぼみを作って合わせて、中心にロープを通して引っ張って外れないようにして付けてみました。ロウを塗って滑りを良くします。これはなかなかうまく行きました。いつかどこかでちゃんと使ってみたい仕様です。



ロープをどこまで張るのか、いろいろ考えて実際に作って試しました。

夜寝る時に自転車のアイディアを色々想像しては、これはきっと面白いぞ、とちょっと興奮して眠りにつき、翌日実際に試作してみると、問題点が分かりうまくいかない、ということの繰り返しでした。
たぶん頭が悪く経験と想像力が欠如しているためなのです。

ロープの張りの調整金具(三つ穴の開いた金具)などはキャンプの道具を参考に自作しました。
前輪の方向舵が右と左別々に回る構成です。
前輪の回転軸のアームの保持部分は固定せずに左右別々に動く必要があります。そのため前輪ブレーキをアームに固定するのに工夫が必要です。
前輪アームの二軸化は見た目がかっこよくて気に入ってたのですが、実際に走らせた時の回転する力が十分とれないのでいったん諦めました。
前輪のアームを左右一緒にしてみます。回転が容易になり、前ブレーキもそのまま付けれるのです。


前輪と後輪をロープではなく木材でつなぐこともありなのですが・・・。安易な気がして、今回はロープにこだわることに。

試作はロープを使っていますが、商品化などする場合にはステンレスのワイヤーを使うことで耐久性を確保できる道もあるな、と考えつつロープを使用。
ロープの張り方をいろいろ試しました。
前輪のフォークを元の自転車のを使ってみたり。
試運転中に上部の木材どおしの回転部が破損したので大きめの丸太で受けを作ったバージョン。さらに動物的でかっこいい。
試運転中に後輪の木材保持金具が破損したので、木材にかかる力を極力単純にするために後輪の回転軸で木材を保持するように改造。
ペダルの部分を上からのロープだけで保持することができるのか不安だったが、実際にやってみるとなんとか保持できました。

ペダル部がロープでの支持になったので、漕いでる時の左右の揺れが大きくなるかなと思い、丸太の受けではなく、金属で左右方向の揺れを規制した構造の受けを作ったバージョン。
前輪のロープ掛けの部分を鉄の棒材で作ったりもしてみる。

前ブレーキはママチャリの後輪用バンドブレーキのドラムを溶接して付けることができました。

前輪がブレーキを掛けた時などに後方へ行くことを規制するために前輪の回転軸にロープを張っています。でも伸張性のあるロープでもハンドルの回転のじゃまになるようです。当り前と言えば当たり前ですが。それでロープ張りを色々試す。
丸太受けの前輪方向舵の二軸タイプ。かっこいい。動物にまたがっている気分になれる。

ペダル部をロープで吊るす構成にしたので、ボディの左右の揺れを規制するのに二軸タイプは有効です。
前輪方向舵の回転がロープに邪魔されない構造だったら、これでもいいのでは?前輪にバンドブレーキも付けたので復活させてみた。

前輪のロープ掛けの部分を鉄の棒材で作って許容範囲の構造をいろいろ探ってみる。前輪と後輪とできれいな三角で構成出来たらいいな、とも思ったんですが、結局前輪を大きく舵を切る時には回転の力ってけっこうかかり鉄材の変形が大きくなってしまうので諦めました。
ロープの張り方を試行錯誤している。
動物的でかっこいい。
でもやっぱり方向舵の回転はスムーズとはいかない。
ということで方向舵は泣く泣く一軸に戻すことに。
でも二軸感の動物的なおもしろさを出そうと、違うバージョンも試したり。
上記の前輪の金属フォークはなんとか使いたくなかったので、最後に行き着いたのがこれ。
色も塗りました。

フロントフォークもほぼ木材でできたのはうれしい。
木材に横からの応力はかけたくなかったが、思ったほど強い力はかかっていないように思えたし、シンプルにまとまりそうだったので、こういう形に。
ロープのかかり部分がほぼ前輪方向舵の回転軸上になっている。
前輪がブレーキを掛けた時などに後方へ行くことを規制するために前輪の回転軸にロープを張ると伸張性のあるロープでもハンドルの回転のじゃまになるのですが、回転軸からわずかにずれた程度ならさほど邪魔にならないようなので、これで落ち着きました。この程度の回転軸に近いロープでも前輪が後方へ行くことの規制にはなっています。
上部の前輪の方向舵回転部分は太いボルトを丸パイプに塩ビパイプで受けを作りました。よくあるキャスターの回転部分に似せてます。着脱は差し込むだけ。
後輪の木材保持部分は、折畳自転車となるように回転できるような構造としています。下記写真のように畳めます。

後輪ブレーキもママチャリの後輪用バンドブレーキのドラムを溶接して付けました。
ハンドルはキックボードのハンドル同様外せます。

体を支えるサドル部は高さ調整できます。