膝立自転車、後輪蛇行自転車 2019.01
最初作りたかったのは、膝立自転車を漕ぐ時の蹴りで後輪がサカナの尾びれのように優雅に揺れれば、スケートのような推進力になるのではないか、という妄想からでした。

やりたかったのは揺れるのは後輪の近くではなく、自転車の中央あたりで揺れたほうがより推進力になるのではないか?というイメージでした。

尾びれの揺れは、最初薄めの板で実現できるのではないかということで始めました。
ゆがみ防止として念のために上下に太めの鉄棒で補強までして、作ったのです。

しかし、座席に膝立して体重をかけると無残にも ぐにゃりと板は大きく変形してしまい、体重を支えられませんでした。試しに両脇に太めの角材をあてがっても、無理そうでした。実は以前にも同じような失敗をしているのですが、最近木材使ってうまくいっていたので甘くみてました。
要は、後輪が地面との接点を支点にして倒れようとするのを支える役割が木材にあるのですが、その木材保持部分が支点から離れすぎており、木材に無理をさせすぎていました。
とにかく自転車の中央付近で揺れを作りたかったので金属で作ることにしました。

さすがに金属フレームだと座席に膝立ちしてもゆがんだりはしません。
中央の回転軸は上からの体重にも安定している垂直方向に設置しました。大きく回転しないように前方にバネ(自転車のスタンドに使っているばねを流用)の力で規制しています。

金属フレームはゆがまない代りに、ペダルを漕いだ時に揺れてくれませんでした。
ペダルを足先で漕ぐ時に水平方向の回転の力がかかるものと思っていましたが、案外垂直下方向の力がほとんどだったようです。
回転軸が垂直ですから、ゆがみに必要な水平方向の力が足りなかったようです。
自転車のの中央付近の回転軸を倒した試作品です。

上記の失敗の後、回転軸をどう倒せばよいのか結構悩みました。通常で考えると、左写真のような方向へ倒すと、いくらバネで規制しているとはいえ体重をかけた時に曲がってしまう仕様となります。ですから頭では逆の傾きがいいはずだと思っていたのです。ですが、それではペダルの踏み込みの力の方向で後輪が左右に揺れてくれそうにはありません。
というわけで一か八かで左写真の仕様で試作してみました。

試乗してみると、体重をかけただけでは変形せずにいてくれました。体重をかけた時の変形しようとする力とバネの規制の力がうまくバランスとってくれたようです。


一つ上の写真では膝立の座椅子は前方フレームに固定してますが、実際に漕いでみると違和感があったので、左写真では後方フレームに固定するように変えました。


この二つのフレームの間に分厚いゴム板をはさんでボルトで締め付けます。
上記試作品を試乗してみると、漕ぐたびに中央で左右に揺れてくれるのですが、登坂性能などあまり向上している感触が無く、見た目にも後輪の振りが小さかく感じたので、もっと後輪の振りを大きくしたいと思い、ちょっとだけ後方へ回転軸を移してみようと思いました。

後輪蛇行させるためには、上記試作品のように自由な回転軸とバネの規制でも実現できますが、弾性素材を挟み込んでも実現できます。
それで、回転軸の位置を変えるのを機に、弾性ゴムでの後輪蛇行を試作してみました。

ホームセンターの鉄パイプの角材でなんとなくデザイン的にもいい感じにできそうでしたので。
というわけでできたのが、コレです。
サドルに綿詰めて。
なんだかうまくまとまった感がでました。
ちょっと試乗をして、ギア比をちょっとアップ。
14インチ:ギア比 歯数32:16 → 40:16へ

塗装してみました。
ちょっとだけ試乗したけれど魚のように尾びれが揺れてぐんぐんスピードアップする、という夢はかなっていませんが、なんとなく膝立ち自転車のスタンダードタイプっぽく仕上がりました。